その他 フォルマントとは?意味・仕組み・活用例をわかりやすく解説
私たちが普段耳にする音は、空気の振動が波となって耳に届く現象です。池に石を投げ込んだ時、波紋が広がる様子を思い浮かべてみてください。音も同様に、空気中を波のように伝わってきます。ただし、音の波は水面を伝わる波紋よりもずっと複雑です。単純な波形の音は自然界にはほとんど存在せず、多くの音は様々な速さの波が複雑に組み合わさってできています。
この音の波の速さは、周波数と呼ばれ、音の高低を決定づける重要な要素です。周波数の単位はヘルツ(日本語では周波数毎秒)で表されます。低い音は周波数が小さく、ゆったりとした波形で表現されます。逆に、高い音は周波数が大きく、速い波形で表現されます。例えば、コントラバスの低い音は数十ヘルツ、ピアノの高い音は数千ヘルツもの周波数を持っています。
同じ高さの音、つまり同じ周波数の音であっても、楽器や人の声によって音色が異なることは、誰もが経験的に知っています。同じ「ド」の音でも、フルートで演奏した場合とトランペットで演奏した場合では、全く異なる印象を受けます。また、同じ人物が「あ」という母音を異なる高さで発声しても、それが「あ」の音であると認識できます。この音色の違いを生み出す要素の一つが、フォルマントと呼ばれるものです。フォルマントとは、特定の周波数帯が共鳴することで生まれる、音の倍音成分の集合体です。楽器や声道の形状によって共鳴する周波数帯が異なり、その結果、異なるフォルマントが形成され、独特の音色が生み出されます。つまり、基本周波数(音の高さ)に加えて、このフォルマント構造こそが、私たちが音を聞き分け、様々な楽器や声を識別することを可能にしているのです。
