その他 ストアドプロシージャ入門
格納処理とは、データベース管理システム(略して「データベース」といいます)の中に、前もって用意しておいた処理手順のことです。処理手順はいくつもの命令文を組み合わせたもので、これらをまとめて名前をつけてデータベースに保存しておきます。そうすることで、何度も同じ処理を呼び出して使う時に便利です。例えるなら、よく使う料理のレシピをまとめて名前をつけてファイリングしておくようなものです。必要な時にすぐに取り出して使えるので、毎回レシピを最初から考える必要がありません。
格納処理を使う一番の利点は、同じ処理を何度も書く手間を省けることです。例えば、商品の価格を変更する処理があるとします。通常であれば、アプリケーションで価格を変更する命令文を毎回書かなければなりません。しかし、格納処理として「価格変更」という処理をデータベースに保存しておけば、アプリケーションからは「価格変更」という名前を呼ぶだけで済みます。まるで、料理でいえば「カレーを作る」というだけで、細かい手順をいちいち指示しなくてもカレーが作れるようなものです。これにより、開発にかかる時間と労力を大幅に減らすことができます。
また、格納処理はデータベースの中に保存されているため、処理の安全性も高まります。アプリケーションから直接データベースを操作するよりも、格納処理を経由することで、不正なアクセスや操作を防ぐことができます。これは、家の鍵を管理人に預けておくようなものです。直接家に入るよりも、管理人に鍵を開けてもらう方が安全です。
さらに、格納処理は通信にかかる負担を軽くする効果もあります。通常、アプリケーションからデータベースに命令を送る際には、多くの情報がネットワーク上を流れます。しかし、格納処理を使う場合は、「価格変更」のように短い名前を送るだけで済むため、通信量が減り、ネットワークの負担が軽くなります。これは、遠くにいる人に手紙で細かい指示を書く代わりに、電話で一言伝えるようなものです。電話の方が早く、手間もかかりません。このように、格納処理はデータベースを使ったシステム開発において、効率と安全性を高める上で重要な役割を果たします。
