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正味現在価値法:投資判断の羅針盤

現在価値とは、将来受け取れるお金を、今この瞬間に手にした場合の価値に置き換えた金額のことです。時間の経過とともに、お金の価値は変化します。将来受け取るお金は、今すぐ受け取るお金よりも価値が低いと一般的に考えられます。これは、今すぐお金を受け取れば、それを投資したり運用したりして利益を生み出すことができるからです。 例えば、1年後にもらえる110万円を考えてみましょう。この110万円を、現在の価値に置き換えてみます。仮に、今、銀行に預金すれば年利10%の利息が得られるとします。すると、現在100万円を預ければ、1年後には100万円 × 1.1 = 110万円になります。つまり、1年後に受け取る110万円は、現在の100万円と同じ価値と言えるのです。この時の100万円が、1年後にもらえる110万円の現在価値です。 このように、現在価値を計算することで、将来受け取るお金の本当の価値を理解することができます。将来の収入や投資の成果を比較検討する際に、現在価値は非常に役立ちます。異なる時期に発生するお金の価値を同じ土俵で比較できるからです。また、企業の価値を評価する際にも、現在価値の考え方が用いられます。将来の収益を現在価値に換算することで、企業の本当の価値を測ることができるのです。 現在価値の計算には、利率が重要な役割を果たします。利率が高いほど、将来のお金の現在価値は低くなります。逆に、利率が低いほど、将来のお金の現在価値は高くなります。これは、利率が高いほど、今すぐお金を運用して得られる利益が大きくなるため、将来のお金の相対的な価値が下がるからです。利率以外にも、インフレ率やリスクなども現在価値に影響を与える要素となります。