平均絶対パーセント誤差とは?MAPEの求め方・計算方法・注意点を解説

平均絶対パーセント誤差とは?MAPEの求め方・計算方法・注意点を解説

AIの初心者

「平均絶対パーセント誤差」って、予測の何を見ている指標なんですか?

AI専門家

簡単に言うと、予測が実際の値から平均して何パーセントずれているかを見る指標だよ。例えば実際の売上が100個で予測が80個なら、ずれは20個、つまり20%の誤差として考えられるんだ。

AIの初心者

たくさんの予測について、そのパーセントのずれを平均したものなんですね。では、なぜ「絶対」と付くのでしょうか?

AI専門家

予測が実際より多かったか少なかったかではなく、ずれの大きさを見るためだよ。差を絶対値にしてから計算するので、プラスとマイナスの誤差が打ち消し合わないんだ。

平均絶対パーセント誤差とは。

平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、機械学習や統計の予測評価で使われる指標です。予測値と実測値のずれを実測値に対する割合として表し、その絶対値を平均することで、予測精度をパーセントで確認できます。

平均絶対パーセント誤差(MAPE)とは

予測値と実測値のずれをパーセントで測る平均絶対パーセント誤差の概念図

平均絶対パーセント誤差とは、予測値が実際の値からどれくらい外れているかを、実測値に対する割合で表した指標です。英語では Mean Absolute Percentage Error と呼ばれ、略して MAPE と表記されます。

例えば、実際の売上が100個で予測が110個だった場合、誤差は10個です。この10個を実際の100個で割ると10%になります。MAPEは、このようなパーセント誤差を複数のデータについて計算し、平均したものです。

ポイントは、誤差の正負をそのまま扱わないことです。予測が実測値より大きい場合も小さい場合も、差の絶対値を使います。そのため、過大予測と過小予測が互いに打ち消し合わず、平均的なずれの大きさを確認できます。

MAPEが低いほど、予測は実測値に近いと考えられます。MAPEが10%であれば、「平均すると実測値から約10%ずれている」と説明しやすいため、需要予測、売上予測、生産計画など、ビジネスの現場でも使われます。

MAPEの計算式と求め方

MAPEを計算する流れを示す横長の説明図

MAPEは、各データの絶対パーセント誤差を求め、それを平均して計算します。代表的な式は次の通りです。

\(\mathrm{MAPE} = \frac{100}{n}\sum_{i=1}^{n}\left|\frac{y_i-\hat{y}_i}{y_i}\right|\)

ここで、\(n\) はデータ数、\(y_i\) は実測値、\(\hat{y}_i\) は予測値を表します。\(|y_i-\hat{y}_i|\) は予測値と実測値の差の絶対値です。

計算の手順はシンプルです。まず、各データについて実測値と予測値の差を求めます。次に、その差の絶対値を実測値で割ります。最後に、すべての割合を平均し、100を掛けてパーセント表示にします。

手順 内容
1 実測値と予測値の差を求める
2 差の絶対値を取る
3 絶対誤差を実測値で割る
4 すべてのデータで平均し、パーセントで表す

具体例で見るMAPEの計算

商品の需要予測を例に考えます。ある商品の3日分の実測値と予測値が、次のようになっていたとします。

実測値 予測値 絶対パーセント誤差
1日目 100 90 10%
2日目 200 220 10%
3日目 50 60 20%

この場合、絶対パーセント誤差は10%、10%、20%です。平均すると、\((10 + 10 + 20) / 3 = 13.3\) となるため、MAPEは約13.3%です。

この結果は、「この予測モデルは平均して実測値から約13.3%ずれていた」と読み取れます。個数や金額ではなく割合で見られるため、規模の違う商品や期間を比較したいときにも使いやすい指標です。

MAPEを使うメリット

MAPEの大きなメリットは、パーセントで予測精度を説明できることです。平均誤差が「12個」と言われても、その商品にとって大きいのか小さいのかは分かりにくい場合があります。一方で「平均12%ずれている」と表現できれば、予測の感覚を共有しやすくなります。

また、単位が異なるデータを比較しやすい点も便利です。売上金額の予測、販売個数の予測、アクセス数の予測では単位が異なりますが、MAPEならいずれもパーセントで表せます。部署間の報告や複数モデルの比較では、この分かりやすさが役立ちます。

計算方法が比較的単純であることも、MAPEがよく使われる理由です。複雑な統計知識がなくても、実測値、予測値、誤差の割合という順序で追えば理解しやすく、表計算ソフトでも計算できます。

MAPEの注意点と弱点

実測値がゼロに近いとMAPEが大きくなりやすいことを示す注意図

MAPEを使うときに最も注意したいのは、実測値が0または0に近い場合です。MAPEは実測値で割って計算するため、実測値が0なら計算できません。実測値が非常に小さい場合も、少しの誤差が非常に大きなパーセント誤差として表れます。

例えば、実測値が1個で予測値が10個なら、差は9個ですが、絶対パーセント誤差は900%になります。これは数式上は正しいものの、モデル全体の評価としてそのまま受け取ると、極端な1件に評価が引きずられることがあります。

もう一つの注意点は、MAPEが「割合」で評価する指標だという点です。実測値1000に対する10%の誤差と、実測値10に対する10%の誤差は、同じ10%でも実際の誤差量は大きく異なります。業務上の損失や在庫リスクを見るときは、割合だけでなく実数の誤差も確認する必要があります。

さらに、予測の過大・過小の影響をどう扱うかも重要です。MAPEは絶対値を使うため、方向性そのものは見えません。過大予測と過小予測のどちらが業務上より問題になるかは、別途確認する必要があります。

MAPEが使われる場面

小売、金融、製造でMAPEを使って予測精度を評価する活用場面の図

MAPEは、予測値と実測値を比較する場面で広く使われます。代表的なのは、小売業の需要予測です。商品の販売数を予測し、実際の販売数と比べてMAPEを計算すれば、在庫計画に使っているモデルがどの程度外れているかを確認できます。

金融分野では、株価、為替、取引量などの予測精度を確認する際に使われることがあります。ただし金融データは変動が大きく、外れ値や急変も多いため、MAPEだけでモデルを判断するのではなく、他の指標やリスク評価と併用することが重要です。

製造業では、生産量、受注量、設備稼働、故障発生数などの予測評価に使われます。MAPEが安定して低ければ、原材料の手配、人員配置、メンテナンス計画を立てやすくなります。

分野 活用例 確認できること
小売 需要予測、売上予測 在庫計画に使える精度か
金融 価格や取引量の予測 予測モデルの相対的なずれ
製造 生産量、受注量、設備関連の予測 計画作成に必要な精度か

MAE・RMSEとの違い

MAPE、MAE、RMSEの違いを比較する抽象的な説明図

予測精度を測る指標には、MAPEのほかにMAEやRMSEがあります。どれが最も優れているというより、何を重視して評価したいかによって使い分けます。

MAEは平均絶対誤差のことで、予測値と実測値の差の絶対値を平均します。単位は元データと同じなので、「平均して12個ずれている」「平均して3万円ずれている」のように、実際の誤差量を見たいときに向いています。

RMSEは二乗平均平方根誤差です。誤差を二乗してから平均し、平方根を取るため、大きな誤差をより強く評価します。少数の大きな外れを重く見たい場合に便利ですが、外れ値の影響を受けやすい点には注意が必要です。

MAPEは、誤差を実測値に対する割合で見る指標です。規模の異なるデータを比較しやすい一方、実測値が0に近い場合には不安定になります。

指標 見ているもの 向いている場面 注意点
MAPE 実測値に対する誤差の割合 規模の違う予測精度を比較したい 実測値が0付近だと不安定
MAE 誤差の絶対量 個数や金額など実数のずれを見たい 単位が違うデータ同士は比較しにくい
RMSE 大きな誤差を重く見た誤差量 大きな外れを避けたい 外れ値の影響を受けやすい

MAPEを使うときの判断ポイント

MAPEを使う前に、まず実測値に0や極端に小さい値が多く含まれていないかを確認しましょう。0が多いデータでは、MAPEだけで評価するとモデルの良し悪しを誤解する可能性があります。

次に、業務上の判断が割合で十分か、実数の誤差も必要かを考えます。例えば、売上100万円の10%誤差と売上1万円の10%誤差では、同じMAPEでも金額上の影響は異なります。意思決定に必要なら、MAEやRMSEもあわせて確認すると判断しやすくなります。

また、過大予測と過小予測のどちらが問題になりやすいかも重要です。需要予測では、過小予測は欠品、過大予測は在庫過多につながります。MAPEは方向性を消して平均するため、実務では誤差の向きも別途チェックするとよいでしょう。

まとめ

平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、予測値と実測値のずれをパーセントで表す、分かりやすい予測精度の評価指標です。MAPEが低いほど、平均的に実測値に近い予測ができていると考えられます。

一方で、実測値が0または0に近い場合には計算できなかったり、値が極端に大きくなったりします。MAPEだけで判断せず、データの性質や業務上の損失、MAEやRMSEなどの他指標も組み合わせて見ることが大切です。

MAPEは、需要予測、売上予測、生産計画などで予測精度を説明しやすくする指標です。計算式の意味と弱点を理解して使えば、機械学習モデルや予測モデルの評価をより現実的に行えます。

更新履歴

日付 内容
2025年2月1日 初回公開
2026年5月24日 式の読み方、ゼロ付近の注意点、他指標との違いを追記