アルゴリズム 計算量を劇的に削減する分離畳み込みとは?意味・仕組み・活用例をわかりやすく解説
分離畳み込みは、通常の畳み込み演算に比べて計算量と必要な記憶容量を減らす、画像認識などの分野でよく使われる手法です。通常の畳み込みでは、一つのフィルター(処理の型のようなもの)が縦、横、奥行き(チャンネル)の3方向すべてを一度に処理します。これは、例えるなら、色のついた3次元のゼリーに、型抜きを一度に押し付けるようなものです。この方法だと、フィルターのサイズが大きくなるほど、計算が複雑になり、多くの計算資源が必要になります。
分離畳み込みは、この複雑な3次元処理を二つの簡単な処理に分解します。まず、縦と横方向、つまり画像の表面に沿ってのみフィルターを適用します。これは、色のついたゼリーの各層ごとに、型抜きを押し付けるようなものです。次に、奥行き方向、つまりチャンネル方向にフィルターを適用します。これは、型抜きで処理した後のゼリーの各層を混ぜ合わせるようなものです。
このように処理を分けることで、計算量を大幅に削減できます。例えば、縦、横、奥行きのサイズがそれぞれNの立方体のゼリーに、同じ大きさのフィルターを適用する場合、通常の畳み込みではNの3乗に比例する計算が必要になります。一方、分離畳み込みでは、最初の表面処理でNの2乗、次の奥行き処理でNに比例する計算で済むため、全体ではNの2乗とNの和に比例する計算量で済みます。Nが大きくなればなるほど、この差は大きくなります。
特に、携帯端末や小型機器のように計算能力や記憶容量が限られている環境では、この計算量の削減は大きなメリットになります。そのため、分離畳み込みは、これらの機器で動く画像認識の人工知能などで広く使われています。
