その他 ライトバック方式で高速化
計算機の情報を取り扱う仕組みである記憶階層には、様々な記憶装置があります。情報を記録する場所には、演算処理装置に近いほど高速に情報をやり取りできる一方、容量が小さくなる傾向があります。このため、高速だが容量の小さい記憶装置と、低速だが容量の大きい記憶装置を組み合わせて利用することで、処理速度と容量の両方を確保しています。ライトバック方式は、このような記憶階層における、情報の書き込み方法の一つです。
ライトバック方式では、演算処理装置が情報を変更する場合、まず高速な記憶領域であるキャッシュメモリに書き込みます。キャッシュメモリへの書き込みは、主記憶装置と呼ばれる、より大きな容量を持つ記憶装置への書き込みよりも高速です。このため、書き込み操作による処理の遅延を減らすことができます。情報を変更した直後は、キャッシュメモリの内容と主記憶装置の内容が一致しません。この状態を「汚れている」という意味の言葉で表現します。
キャッシュメモリの内容は、状況に応じて主記憶装置に書き込まれます。例えば、キャッシュメモリがいっぱいになり、新しい情報を書き込む必要がある場合、現在キャッシュメモリにあって主記憶装置に書き込まれていない情報があれば、まずそれを主記憶装置に書き込んでから、新しい情報をキャッシュメモリに書き込みます。また、計算機が停止する際などにも、キャッシュメモリの内容を主記憶装置に書き込みます。
ライトバック方式の利点は、書き込み操作の遅延を減らすことで処理速度を向上させることにあります。キャッシュメモリへの書き込みは主記憶装置への書き込みよりも高速なので、情報を頻繁に変更する場合でも、処理速度への影響を小さくできます。また、同じ情報への複数回の書き込みがキャッシュメモリ内で完結すれば、主記憶装置への書き込み回数を減らすことができ、更なる効率化につながります。これは、主記憶装置への書き込みはキャッシュメモリへの書き込みに比べて時間がかかるため、書き込み回数を減らすことで全体の処理時間を短縮できるからです。
