AI活用 マルチモーダルAI:五感を越える人工知能
人工知能(じんこうちのう)の世界では、情報のタイプを様式(ようしき)、つまりモダリティと呼びます。私たち人間は、視覚(しかく)、聴覚(ちょうかく)、触覚(しょっかく)、味覚(みかく)、嗅覚(きゅうかく)といった五感(ごかん)を使って周りの世界を認識(にんしき)しています。これと同じように、人工知能も様々な種類の情報を処理(しょり)します。写真や動画のような視覚的な情報、会話や音楽のような聴覚的な情報、文章のような文字情報、温度や圧力などのセンサー情報など、実に多様です。これらの情報の種類一つ一つを、モダリティと呼ぶのです。
たとえば、写真や動画は視覚情報に対応する画像(がぞう)モダリティ、会話や音楽は聴覚情報に対応する音声(おんせい)モダリティ、文章や文字列はテキストモダリティと呼ばれます。人工知能が扱う情報は、私たち人間が五感で受け取る情報とよく似ています。そして、モダリティは人工知能にとっての感覚器官(かんかくきかん)のような役割を担っています。人工知能は、それぞれのモダリティに合わせた特別な方法で情報を処理します。画像モダリティであれば、形や色、模様などを認識し、音声モダリティであれば、音の高低や強弱、リズムなどを分析します。テキストモダリティであれば、単語の意味や文の構造を理解します。
このように、人工知能は様々なモダリティの情報を受け取り、処理することで、私たち人間と同じように世界を理解しようとします。複数のモダリティの情報を組み合わせることで、より深く、より正確に世界を理解できるようになります。例えば、自動運転車であれば、カメラの画像情報(画像モダリティ)とGPSの位置情報、レーダーの距離情報(センサーモダリティ)を組み合わせることで、周囲の状況を正確に把握し、安全に走行できます。このように、モダリティを理解することは、人工知能の仕組みを理解する上で非常に重要です。
