再現率

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アルゴリズム

ROC曲線とAUC:モデル精度の評価

「受信者動作特性曲線」を縮めて「ROC曲線」と呼びます。これは、二つの選択肢から一つを選ぶ問題で、作った予測の仕組みの良し悪しを確かめるために使われる図です。この図は、縦軸と横軸にそれぞれ特別な割合を示すことで描かれます。縦軸は「真陽性率」と呼ばれ、実際に正解が「陽性」であるものの中で、正しく「陽性」と予測できたものの割合を示します。例えば、病気の人を診断する際に、実際に病気の人の中で、正しく病気だと診断できた人の割合です。横軸は「偽陽性率」で、実際は正解が「陰性」であるものの中で、間違えて「陽性」と予測してしまったものの割合を指します。病気でない人を診断する際に、健康な人の中で、誤って病気だと診断してしまった人の割合です。 ROC曲線は、これらの割合を使うことで、予測の仕組みがどれくらい正確に「陽性」と「陰性」を区別できるかを目に見える形で示してくれます。この曲線は、様々な判定の基準での予測の仕組みの働きを一度にまとめて見せてくれます。判定の基準とは、例えば、ある検査値を境に病気か健康かを判断する場合の、その境目の値のことです。ROC曲線は、この境目の値を変えたとき、予測の仕組みの働きがどう変わるかを曲線で表しています。ROC曲線を見ることで、特定の境目の値に左右されずに、予測の仕組み全体の良し悪しを理解できるのです。つまり、様々な状況に対応できる予測の仕組みかどうかを判断するのに役立ちます。これは、様々な状況で使える、より信頼性の高い予測の仕組みを作るために非常に重要な情報となります。
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二値分類の評価指標:正解率、適合率、再現率、F値

{機械学習の世界では、物事を二つに分ける方法は、様々な場面で使われています。例えば、迷惑メールかどうかを判断したり、病気かどうかを診断したりする際に、この二つのグループに分ける方法が役立っています。この方法を二値分類と言います。そして、この二値分類の良し悪しを測るためには、いくつかの指標が必要です。この指標を使うことで、どのくらい正確に二つのグループに分けられているかを調べることができます。本稿では、二値分類の指標の中でも特に重要な四つの指標について説明します。 まず、全体の中でどのくらい正しく分類できたかを表す指標が正解率です。これは、全体のデータの中で正しく分類できたデータの割合を示しています。しかし、正解率だけでは、分類の正確さを完全には把握できません。例えば、珍しい病気の診断の場合、ほとんどの人が病気ではないため、単純に全員を「病気ではない」と診断しても高い正解率が出てしまいます。しかし、これは実際には正しい診断とは言えません。 そこで、「病気である」と診断した人の中で、実際に病気だった人の割合を表す指標が適合率です。これは、診断の確実性を示す指標と言えます。一方で、実際に病気の人の中で、どのくらいの人を「病気である」と正しく診断できたかを表す指標が再現率です。これは、見落としがないかをチェックするための指標です。 適合率と再現率は、どちらか一方を高くしようとすると、もう一方が低くなる傾向があります。例えば、なるべく見落としを減らそうとして、多くの人を「病気である」と診断すると、再現率は上がりますが、誤診も増えるため適合率は下がります。逆に、確実な診断だけをしようとすると、適合率は上がりますが、診断数が少なくなり再現率は下がります。そこで、適合率と再現率のバランスを考えた指標がF値です。F値は、適合率と再現率の調和平均で計算され、両方の指標をバランス良く評価することができます。 これらの四つの指標、正解率、適合率、再現率、F値を理解することで、二値分類モデルの性能をより深く理解し、適切なモデルを選ぶことができます。それぞれの指標の特徴を踏まえ、状況に応じて適切な指標を用いることが重要です。
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感度:機械学習における重要指標

「感度」とは、機械学習の分野で、分類モデルの性能を評価する大切な指標のひとつです。 特に、二つの選択肢から結果を予測する分類問題でよく使われます。病気の有無を判断する診断や、不正利用を見つける不正検知のように、見落としが許されない状況で特に重要な役割を担います。 感度は、実際に陽性であるもの全体を分母とし、その中で正しく陽性と予測できた割合を表します。つまり、本当に陽性であるものを見つける能力を測る指標と言えるでしょう。例として、ある病気の検査キットを考えてみましょう。実際にその病気に罹っている人々の中で、検査キットによって陽性と正しく判定された人の割合が感度です。 この数値は0から1までの範囲で表現され、1に近づくほど性能が高いことを示します。もし感度が1に近い値であれば、本当に陽性であるものを見逃す可能性が低いことを意味します。 反対に、感度が低いと、本当は陽性なのに陰性と判定されてしまう可能性が高くなります。これは、病気の診断であれば、治療が必要な患者を見逃してしまうことに繋がりかねません。不正検知であれば、不正を見逃し、大きな損害に繋がる可能性も出てきます。 感度は、他の指標と組み合わせて使われることが多く、単独でモデルの良し悪しを判断する材料としては不十分な場合もあります。例えば、「特異度」と呼ばれる指標は、実際に陰性であるもの全体の中で、正しく陰性と予測できた割合を表します。感度と特異度は、モデルの性能を様々な角度から評価するために、共に用いられることが一般的です。 感度を正しく理解することは、機械学習モデルの性能を適切に評価し、それぞれの目的に最適なモデルを選ぶ上で欠かせません。目的に応じて、感度と他の指標をバランス良く考慮することで、より効果的なモデルの選択と活用に繋がります。
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再現率:機械学習の精度を測る

「再現率」とは、機械学習の出来栄えを測る物差しの一つで、見つけ出すべきものを見つける能力を表す数値です。たとえば、病気の人を診断する機械があるとします。実際に病気の人がいる中で、機械が正しく病気だと判断できた人の割合が再現率です。言い換えると、本当に病気の人を見落とさずに、どれだけ捉えられているかを示す大切な数値です。 この数値は、0から1までの間の値で表され、1に近いほど性能が良いとされます。理想的には1、つまり100%を目指しますが、現実的には他の要素との兼ね合いも考える必要があるため、必ずしも100%を目指すことが最良とは限りません。たとえば、病気ではない人を誤って病気と診断してしまう可能性も考慮に入れる必要があります。 再現率が高いほど、見落としは少なくなりますが、その分、本来は病気ではない人を病気と診断する可能性も高まることがあるのです。これは、魚を捕る網の目を大きくする様子に似ています。網の目を大きくすれば多くの魚を捕まえられますが、同時に小さな魚も逃してしまいます。逆に、網の目を小さくすれば小さな魚も捕まえられますが、大きな魚は網にかかりません。つまり、状況に応じて適切な網の目、つまり適切な再現率を設定する必要があるのです。 具体的な例として、迷惑メールの判別を考えてみましょう。再現率の高い判別機は、ほとんどの迷惑メールを正しく迷惑メールと判断できます。しかし、普通のメールを迷惑メールと誤って判断する可能性も高くなります。逆に、再現率の低い判別機は、普通のメールを誤って迷惑メールと判断する可能性は低くなりますが、多くの迷惑メールを見逃してしまう可能性があります。このように、再現率は、他の要素とのバランスを考えながら調整する必要がある大切な指標です。
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ROC曲線とAUCによるモデル評価

受信者動作特性曲線、略してROC曲線は、二つの種類に分類する問題で、予測モデルの良し悪しを目に見える形で評価するのに使われる図です。この図は、縦軸に真陽性率、横軸に偽陽性率を置いて描かれます。 まず、真陽性率とは何か説明します。真陽性率とは、実際に正解であるデータを正しく正解と予測できた割合のことです。例えば、病気の人を検査で正しく病気と診断できた割合が真陽性率です。 次に、偽陽性率について説明します。偽陽性率とは、実際は不正解であるデータを間違えて正解と予測した割合のことです。例えば、健康な人を検査で誤って病気と診断した割合が偽陽性率です。ROC曲線は、この真陽性率と偽陽性率の関係を曲線で表したものです。 理想的な予測モデルは、真陽性率は高く、偽陽性率は低い状態です。つまり、正解は全て正解と予測し、不正解は全て不正解と予測することです。ROC曲線では、左上に近いほど理想的なモデルを示しています。左上にあるほど、真陽性率が高く、偽陽性率が低いからです。 反対に、全く予測ができないモデルは、ROC曲線が対角線上に位置します。これは、ランダムに予測した場合と同じ結果を示しており、モデルの性能が低いことを意味します。 このように、ROC曲線を見ることで、モデルがどれくらい正確に二つの種類を区別できるかを視覚的に判断することができます。ROC曲線の下の面積(AUC)も重要な指標で、この値が大きいほどモデルの性能が良いとされます。AUCは0から1までの値を取り、1に近いほど優れたモデルと言えます。
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PR曲線下面積:適合率と再現率の調和

機械学習の分野では、様々な指標を用いてモデルの良し悪しを評価します。その中で、PR曲線下面積(PR-AUC)は、特に偏りのあるデータにおいて、モデルの性能を測る際に重要な指標となります。偏りのあるデータとは、例えば、全体のデータの中で、注目したい事象の発生割合が非常に少ない場合を指します。クレジットカードの不正利用の検出や、稀な病気の診断などが、この例に当てはまります。このような状況では、単に全体的な正答率だけでモデルを評価すると思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。 例えば、不正利用が全体の0.1%しかないとします。この時、常に「不正利用ではない」と予測するモデルを作ったとしましょう。このモデルは、一見99.9%の正答率を誇りますが、実際には不正利用を全く見つけることができません。このような状況で役立つのが、PR-AUCです。PR-AUCは、「精度」と「再現率」という二つの指標を基に計算されます。精度は、モデルが「不正利用あり」と予測した中で、実際に不正利用だった割合を表します。一方、再現率は、実際に不正利用だったもの全体の中で、モデルが正しく「不正利用あり」と予測できた割合を表します。PR-AUCは、様々な閾値における精度と再現率の組み合わせをプロットしたPR曲線の下部の面積を計算することで得られます。この値は、0から1の範囲を取り、1に近いほど、精度と再現率のバランスが良く、モデルの性能が高いことを示します。つまり、PR-AUCを用いることで、単純な正答率では見落とされてしまう、偏りのあるデータにおけるモデルの真の性能を評価することができるのです。具体的には、不正検知や医療診断など、偽陰性を極力減らしたい状況、つまり、実際には不正利用や病気であるにも関わらず、見逃してしまうことを避けたい状況において、PR-AUCは非常に有効な指標となります。
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F値:機械学習モデルの評価指標

学習した機械の良し悪しを測るための大切な数字に「エフ値」というものがあります。機械学習では、たくさんの情報から規則性を学び、まだ知らない情報について予測を行います。この予測がどのくらい当たっているかを測る方法はいくつかありますが、エフ値は「適合率」と「再現率」という二つの数字を組み合わせたものです。適合率とは、機械が「正しい」と考えたものの中で、実際にどのくらい正しかったかを示す割合です。例えば、10個のリンゴの中から赤いリンゴを機械に選ばせたとします。機械は7個のリンゴを選び、そのうち5個が実際に赤いリンゴだった場合、適合率は5/7となります。一方、再現率とは、実際に「正しい」ものの全体の中で、機械がどのくらい正しく見つけられたかを示す割合です。先ほどの例でいえば、全部で8個の赤いリンゴがあったとすると、機械は5個を見つけたので、再現率は5/8となります。エフ値は、この二つの数字を組み合わせることで、機械の全体的な性能を評価します。具体的には、二つの数字を「調和平均」という方法で計算します。調和平均とは、平均を出すとき、大きな値よりも小さな値の影響をより強く受ける計算方法です。例えば、適合率と再現率がどちらも高い場合は、エフ値も高くなります。しかし、どちらか一方が低い場合、もう一方が高くてもエフ値は低くなります。つまり、エフ値が高いほど、機械は正確に見つけられるだけでなく、見逃しも少ないと言えるのです。このため、エフ値は機械学習の様々な場面で使われています。例えば、迷惑メールの判別や病気の診断など、見逃しが許されない場面で、機械の性能を正しく評価するために役立っています。また、エフ値は不正を見つけるシステムや商品の推薦システムなど、幅広い分野でも使われています。このように、エフ値は機械学習において重要な役割を果たしているのです。
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予測精度を測る指標たち

機械学習の良し悪しを測るには、目的に合った方法を選ぶことが大切です。様々な測り方がありますが、二つの選択肢から一つを選ぶ問題では、正しさの割合、的中率、網羅率、そしてこれらのバランスを示すF値がよく使われます。これらの測り方は、それぞれ違う角度から良し悪しを見て、全体像をつかむのに役立ちます。 例えば、病気かどうかを見分ける仕組みを評価する場合を考えてみましょう。全体の予測がどれだけ合っているかだけでなく、実際に病気の人を正しく病気と判断できているか、健康な人を誤って病気と判断していないかなど、色々な視点からの評価が必要です。こうした場合、これらの測り方を組み合わせて使うことで、多角的な評価ができます。 正しさの割合は、全体の予測のうち、どれだけ正解していたかを示す単純な指標です。しかし、データの偏りがある場合、この指標だけでは不十分なことがあります。例えば、ある病気の患者が非常に少ない場合、全て健康と予測しても高い正答率が出てしまう可能性があります。 的中率は、病気と予測した人の中で、実際に病気だった人の割合を示します。これは、病気と予測した結果の信頼性を評価する際に役立ちます。一方、網羅率は、実際に病気の人の中で、どれだけ正しく病気と予測できたかの割合です。これは、見落としを少なくしたい場合に重要な指標となります。 F値は、的中率と網羅率の調和平均で、両者のバランスを重視する場合に用いられます。病気の診断のように、見落としも誤診も避けたい場合には、F値が有用な指標となります。このように、それぞれの測り方が何を示し、どのように使い分けるべきかを理解することで、機械学習の仕組みをより適切に評価し、改善につなげることができます。
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AI性能指標入門

人工知能(以下、知能機械)の良し悪しを見極めるには、様々な物差しが必要です。これらの物差しを性能指標と呼びます。性能指標は、知能機械がどのくらいきちんと仕事をしているかを数字で表すものです。知能機械の開発や改良には、この性能指標が欠かせません。適切な性能指標を使うことで、機械の弱点を見つけ、より良くしていくことができます。また、異なる知能機械を比べる際にも、性能指標は公平な判断基準となります。色々な種類の性能指標があるので、仕事の内容や目的に合わせて適切な指標を選ぶことが重要です。 例えば、ある知能機械が写真を見て、それが何の写真かを当てる仕事をするとします。このとき、機械がどのくらい正確に写真を当てられたかを測る必要があります。この場合、正しく当てられた写真の割合を性能指標として使うことができます。これは「正解率」と呼ばれる指標で、よく使われる指標の一つです。正解率が高いほど、機械は写真の分類をうまくこなせていると言えます。 しかし、正解率だけで機械の性能を判断するのは、必ずしも十分ではありません。例えば、めったに起こらない事象を機械がうまく予測できない場合でも、全体の正解率には大きな影響を与えない場合があります。このような場合、他の性能指標も合わせて考える必要があります。例えば、「再現率」は、実際に起きた事象のうち、機械が正しく予測できた事象の割合を表します。「適合率」は、機械が起きたと予測した事象のうち、実際に起きた事象の割合を表します。これらの指標を組み合わせて使うことで、機械の性能をより多角的に評価することができます。 性能指標は、知能機械の精度を測るだけでなく、学習の進み具合を確かめるためにも使われます。学習の過程で性能指標を監視することで、学習が順調に進んでいるか、あるいは何らかの問題が発生しているかを判断することができます。そして、必要に応じて学習方法を調整することで、より良い知能機械を作り上げることができます。このように、性能指標は知能機械の開発において、なくてはならない重要な役割を担っています。
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F1スコア:機械学習の精度の要

機械学習の良し悪しを測る尺度は、その学習結果がどれほど正確に未来を言い当てられるかを測る上でとても大切です。そうした尺度の一つにF1スコアというものがあります。これは、学習結果の良し悪しを測る強力な道具です。F1スコアは、0から1までの数字で表され、1に近いほど良い学習結果であることを示します。この尺度は、ただどれくらい当たっているかを見るだけでなく、実際には違うのに当たっているとした場合と、実際には当たっているのに違うとした場合のバランスも見ているため、より様々な面から学習結果を評価できます。言い換えれば、F1スコアが高いほど、その学習結果はより正確で信頼できるものだと言えるでしょう。 具体的に見てみましょう。例えば、病気かどうかを診断する場合を考えてみます。もし健康な人を病気と診断してしまったら(実際には違うのに当たっているとした場合)、必要のない検査や治療を受けてしまうかもしれません。逆に、病気の人を健康と診断してしまったら(実際には当たっているのに違うとした場合)、適切な治療を受けられないことで病気が悪化してしまうかもしれません。このように、誤った判断が大きな影響を及ぼす場合に、F1スコアは特に重要な尺度となります。病気の診断以外にも、迷惑メールの振り分けなど、間違った判断が困る場面で役に立ちます。F1スコアを使うことで、そうした困った事態を減らすのに役立つ学習結果を作ることが期待できます。つまり、F1スコアは、より良い学習結果へと導くための羅針盤のような役割を果たしてくれるのです。
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再現率:見落としを防ぐ重要指標

ある事柄を正しく見つけ出す能力を測る指標に、再現率というものがあります。再現率とは、本来見つけるべきもののうち、実際にどれだけの割合を見つけることができたのかを示す数値です。0から1までの値をとり、1に近づくほど、見つける能力が高いことを示します。 例として、病気の診断を考えてみましょう。ある病気にかかっている人を診断する場合、実際に病気の人全員を「病気の人」と正しく診断することが理想です。しかし、現実的には、検査で見逃してしまう場合もあるでしょう。この時、再現率は、実際に病気の人全体のうち、どれだけの割合の人を正しく「病気の人」と診断できたかを表します。もし100人の病気の人のうち、80人を正しく診断できたとすると、再現率は0.8となります。残りの20人は、見逃されたことになります。 再現率は、見落としが許されない状況で特に重要です。例えば、深刻な病気の診断の場合、病気の人を見落としてしまうと、適切な治療の開始が遅れ、病状が悪化してしまうかもしれません。また、工場の製品検査で不良品を見落としてしまうと、不良品が出荷され、大きな事故につながる可能性もあります。このように、見落としが大きな損失につながる可能性がある場合、再現率を高く保つことが非常に重要になります。 再現率を高めるための手法は様々ですが、一般的には、診断や検査の基準を緩めることで再現率は向上します。病気の診断であれば、少しの兆候でも「病気の疑いあり」と判断することで、病気の人を見落とす可能性は減ります。しかし、基準を緩めすぎると、実際には病気でない人を誤って「病気」と判断してしまう可能性が高まります。そのため、状況に応じて適切な基準を設定することが重要です。
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感度の理解:機械学習における重要性

検査や測定の良し悪しを判断する上で、「感度」は欠かせない考え方です。これは、実際にそうであるものの中から、正しくそうだと判断できた割合を示すものです。例えば、病気の診断を考えてみましょう。ある病気に実際にかかっている人たちの中から、検査によって正しく病気だと診断された人の割合が、その検査の感度にあたります。 別の言い方をすれば、感度は「真陽性率」とも言えます。つまり、本当に病気の人を、病気だと見つける能力を表す尺度です。この値は、0から1までの範囲で表され、1に近づくほど検査の性能が良いとされます。もし感度が1に近い検査であれば、病気の人をほぼ漏れなく見つけることができます。 反対に、感度が低い検査の場合、実際には病気であるにもかかわらず、健康だと判断してしまう可能性が高くなります。これは、病気の「見逃し」につながり、特に医療の現場では重大な問題を引き起こす恐れがあります。例えば、早期発見が重要な病気の場合、感度の低い検査によって診断が遅れれば、治療の開始が遅れてしまうかもしれません。 このように、感度は、病気を見逃さない能力を測る重要な指標です。特に、命に関わるような病気の診断においては、感度の高い検査を用いることが非常に重要になります。検査結果が陰性であっても、感度が低い場合には、本当に陰性なのか、それとも検査の見逃しなのかを注意深く見極める必要があります。そのため、医療現場では、それぞれの検査の感度を理解し、適切に使い分けることが求められます。