モード値(最頻値)とは?求め方・仕組み・活用例をわかりやすく解説

モード値(最頻値)とは?求め方・仕組み・活用例をわかりやすく解説

AIの初心者

「モード値」って何ですか? 統計やAIの説明に出てきたのですが、平均値とは違うのでしょうか。

AI専門家

モード値は、データの中で一番多く出てくる値のことだよ。例えば、1、2、2、3、4、4、4、5なら、4が3回出てきて一番多いので、モード値は4になるんだ。

AIの初心者

合計して割るのではなく、出てくる回数を見るんですね。それがAIではどのように役立つのですか?

AI専門家

例えば、学習に使うデータでどの種類が多いかを調べたり、分類の多数決で一番多く選ばれた答えを採用したりするときに、この考え方を使うよ。まずは身近なデータで求め方を確かめると、使いどころがつかみやすくなるね。

モード値とは

モード値は、データの中で最も多く現れる値で、「最頻値」とも呼ばれます。「何が一番多いか」を知るための代表値で、数値だけでなく、商品サイズや好きな色などにも使えます。

求め方は出現回数を数えるだけですが、同率で並ぶ値がある場合や、年齢を年代別にまとめた場合には読み方に注意が必要です。具体的な集計例から、平均値・中央値との違い、実務や機械学習での活用まで順に確認しましょう。

数値やカテゴリの集まりから最も多く現れる値を選ぶモード値の考え方

モード値(最頻値)とは

統計で使われる「モード」「モード値」「最頻値」は、いずれも同じ概念を指します。データの特徴を少数の値で表す代表値の一つですが、答えるのは「何が最も多いか」であって、「中央はいくつか」ではありません。全体の平均的な大きさを調べたいのか、よく選ばれる種類を知りたいのかによって、適した代表値は変わります。

例えば、10人に好きな果物を一つずつ聞き、りんごが5人、みかんが3人、ぶどうが2人だったとします。この場合の最頻値は「りんご」です。「5人」はりんごの出現回数であり、最頻値そのものではありません。値と回数を分けて考えることが、集計結果を読む第一歩です。

数値の計算ができないカテゴリにも使えるのは、最頻値の大きな利点です。好きな色の調査で赤が7人、青が5人、緑が3人なら、最頻値は「赤」になります。色の名称を足したり割ったりする必要はなく、回答ごとの件数を比較すれば求められます。

ただし、最も多い値が全体の過半数を占めるとは限りません。果物の例のりんごは10人中5人で、ちょうど半数です。色の例の赤も15人中7人なので半数未満です。最頻値を「みんなの意見」や「データの真ん中」と読み替えず、どのくらいの件数で最多になったかも確かめましょう。

モード値の求め方

モード値を求めるときは、値ごとの出現回数を数え、その中で最大の回数に対応する値を選びます。統計では、この出現回数を「度数」と呼びます。度数を一覧にした度数表を作ると、数え間違いや同率最多の見落としを減らせます。

  1. 同じ値をまとめ、それぞれが何回現れるかを数えます。
  2. 集計した度数の中から、最も大きいものを探します。
  3. その度数に対応する値を最頻値として選びます。同率なら該当する値をすべて確認します。

元になるデータが「1、2、2、3、3、3、4、5」の8個だった場合、度数表は次のようになります。並べ替えは見やすくする助けになりますが、最頻値を求めるうえで必須ではありません。データの順番が変わっても、各値の回数は変わらないためです。

値 度数(出現回数)
1 1回
2 2回
3 3回
4 1回
5 1回

最も大きい度数は3回で、その値は3です。したがって最頻値は3となります。この例では値と回数がたまたま同じ数字ですが、「3という値が3回出た」と区別して読みましょう。度数の合計が元データの8個と一致するかを確認すれば、数え漏れの点検にもなります。

1、2、2、3、3、3、4、5を度数表にまとめ、最大度数3回に対応する最頻値3を選ぶ手順

件数が多い場合は、表計算ソフトの集計機能などで値別の件数をまとめると便利です。その際は、数値の「2」と文字列として入力された「2」が混在していないか、カテゴリ名の表記が統一されているかを確認します。例えば「M」と「Mサイズ」が同じ意味なら、集計前に同じ表記へそろえる必要があります。

また、最頻値を求める機能には、数値だけを対象にするものや、同率最多でも一つしか返さないものがあります。関数やツールの結果だけで判断せず、度数表も確認すれば、文字列のカテゴリが対象に含まれているか、同率の値が省かれていないかを把握できます。

平均値・中央値との違い

平均値・中央値・最頻値は、同じデータから別の特徴を取り出す代表値です。平均値は全体の量をならした値、中央値は順に並べた中央の値、最頻値は最も多く現れる値です。どれか一つが常に優れているわけではなく、知りたいことに合わせて選びます。

平均値は、すべての数値を合計して個数で割ります。中央値は、小さい順に並べたときの真ん中の値です。数値が偶数個ある場合は、中央に並ぶ二つの値の平均を中央値とします。例えば「1、2、4、9」の中央値は、中央の2と4を平均した3です。平均値と中央値は、元データにない数値になることもあります。

三つを「1、2、2、3、12」という同じデータで比較してみましょう。合計は20、個数は5なので平均値は4です。小さい順で3番目にある2が中央値となり、2回出現して最多の2が最頻値になります。同じデータでも、平均値だけが4になるのは、大きな値である12も計算に含めるからです。

1、2、2、3、12のデータで平均値4、中央値2、最頻値2を比較した代表値の違い

ここで12だけを102に変えると、平均値は22まで上がります。一方、中央の位置も最多の値も変わらないため、中央値と最頻値はどちらも2のままです。このように、平均値は極端に大きい値や小さい値の影響を受けやすく、中央値と最頻値はその影響を受けにくい特徴があります。ただし、最頻値も同じ値の出現回数が増減すれば変わります。

代表値 求め方 使えるデータ 特徴 用途の例
平均値 合計を個数で割る 足し合わせる意味がある数値 全数値の大きさを反映し、外れ値の影響を受けやすい 1か月の1日当たり売上高を調べる
中央値 順に並べた中央を求める 数値や順序のあるデータ 順位に着目するため、外れ値の影響を受けにくい 世帯年収の中央付近を知る
最頻値 最大の度数に対応する値を選ぶ 数値、種類、色などのカテゴリ 最も多い値を示すが、全体の中央とは限らない 売れ筋のサイズや最多の回答を調べる

色や果物のように順序のないカテゴリでは、平均値や中央値は使いません。赤を1、青を2、緑を3と番号で記録しても、その番号は識別用です。平均を計算しても「平均的な色」を表すことにはなりません。データが数字で保存されていることと、数値として計算できることは別です。

理論上の正規分布では、平均値・中央値・最頻値は一致します。ただし、左右対称という条件だけでは一致するとは限りません。例えば「1、1、5、5」は3を中心に左右対称ですが、平均値と中央値は3、最頻値は1と5です。山が一つか複数かという分布の形も見る必要があり、有限の観測データでは正規分布に近くても三つがぴったり一致するとは限りません。

階級別データで最頻値を読む方法

年齢を「20代」「30代」のような区間にまとめることがあります。この区間を「階級」と呼び、度数が最も多い階級を「最頻階級」と呼びます。20代が最頻階級だと分かっても、20歳から29歳のうち、どの年齢が最も多いかまでは分かりません。個々の値の最頻値と、区間としての最頻階級を区別することが大切です。

例えば、値を幅10の三つの階級にまとめ、度数が次のようになったとします。「以上」は端の値を含み、「未満」は含みません。10は「10以上20未満」、20は「20以上30未満」に入るので、境界の値を二重に数えずに済みます。

階級 度数 階級値(区間の中央)
0以上10未満 2 5
10以上20未満 6 15
20以上30未満 3 25

この表では、度数6の「10以上20未満」が最頻階級です。階級の中央の値を「階級値」と呼び、最頻階級の階級値である15を、最頻値の近似として用いることがあります。これは、区間にまとめたデータから代表的な位置を示すための扱いです。

等幅の階級のうち10以上20未満が最多となり、その階級値15を最頻値の近似に使う例

階級値15を使っても、元データで15が最も多かったと確認できたわけではありません。その区間の値が11付近に集中している可能性も、ばらばらに存在する可能性もあります。個々の値を失った集計表だけでは厳密な最頻値は求められないため、報告では「最頻階級は10以上20未満、階級値による近似は15」と書くと意味が明確になります。

身長や時間のような連続量では、測定の細かさによって同じ値がほとんど出ないこともあります。小数をどこで丸めるか、階級幅をどれだけにするか、境界をどこに置くかで、最多の値や区間は変わり得ます。別の時期や集団と比較する際は、集計条件をそろえましょう。

なお、この例は階級幅がすべて等しい場合です。幅の異なる階級では、広い区間ほど件数が多くなりやすいため、件数だけで「最も密集している場所」を判断できません。幅が異なるヒストグラムを読むときは、度数を階級幅で割った「度数密度」を高さに使い、長方形の面積が度数に対応しているかにも注意します。

モード値の活用例とAIとの関係

モード値は、選択肢や種類の中から「どれが多いか」を把握したい場面で役立ちます。ただし、頻度は意思決定の材料の一つです。最多の項目を見つけた後は、なぜ多いのか、ほかに考慮する条件がないかを確認します。

販売では、売れた服のサイズを集計して、仕入れや在庫配分の参考にできます。例えばMサイズが最多なら、よく購入されるサイズを把握できます。ただし、Sサイズが長く欠品していた場合、販売実績だけでは本来の需要を捉えきれません。季節や店舗、在庫状況も併せて見ます。購入者の最多年齢層も広告の検討材料になりますが、「20代」という集計は年齢の最頻階級を示すものです。

価格についても、購入1件ごとの商品価格を集めたとき、平均価格が1,000円、最頻値が500円なら、500円の購入が最も多い一方、より高い価格の購入が平均を押し上げていると読めます。ただし、500円の商品が売上金額の最大部分を占めるとは限りません。購入件数と売上金額では、見ている量が違うためです。

製造現場では、不良の種類別に件数を集計し、最多の不良から調査の優先順位を考えられます。例えば「表面の傷」が最多なら、その不良が起きた工程や条件を詳しく調べるきっかけになります。ただし、不良の種類が分かることと、原因が特定できることは別です。設備や材料などの情報も必要で、件数が少なくても重大な不良を後回しにしてよいとは限りません。

医療に関連する集計でも、報告された症状の種類を数えることで、「この期間の記録では何が多かったか」という傾向を把握できます。複数の症状を持つ人がいる場合には、患者数を数えるのか症状の報告件数を数えるのかを統一します。この集計が示すのは報告の頻度であり、最多の症状だけで病気や診断、治療を決められるわけではありません。

AI・機械学習では、モード値の考え方が次のような場面で使われます。いずれも複雑な処理の前に、データの頻度を確認することが土台になります。

  • カテゴリ分布の確認:学習用データに含まれる商品区分や分類ラベルの件数を調べ、どのカテゴリが多いかを把握します。最多カテゴリだけでなく割合も見ることで、データの偏りを確認できます。
  • カテゴリの欠損値補完:入力が空欄の項目を、同じ項目で最も多いカテゴリで埋める方法があります。処理は簡単ですが、その人や対象の本当の値が分かるわけではありません。
  • 多数決による分類:複数のモデルが出した分類結果から最多のクラスを選ぶときや、近い事例のラベルで投票するときに、最頻値と同じ考え方を使います。重みなしの投票なら、A・A・Bという結果ではAが選ばれます。

欠損値を最頻値で埋める場合は、学習用データだけから最頻値を求め、その値を検証用・テスト用データにも適用します。評価に使うデータまで含めて求めると、本来は学習時に使えない情報が処理に入り込むためです。また、欠損が多いほど最多カテゴリがさらに増え、少数カテゴリの特徴を捉えにくくなる可能性があります。

多数決にも同率は起こります。A・A・B・Bなら最多クラスは一つに決まらないため、あらかじめ同率時の選び方を決めておきます。最頻値を使えば自動的に最善の予測になるわけではなく、データの偏りや誤分類の影響を含めて評価することが必要です。

最頻値が複数ある場合と解釈の注意点

最頻値は一つとは限りません。「1、1、2、2、3」では1と2がそれぞれ2回出現し、最大の度数で並んでいるため、最頻値は1と2の二つです。同じ回数の値をすべて選ぶのではなく、あくまで最大の回数に並ぶ値を選びます。例えば「1、1、1、2、2、3、3」では2と3も同じ回数ですが、最多は3回現れる1だけです。

一方、「1、2、3、4、5」のようにすべての値が同じ回数だけ現れる場合、初歩的な説明では「最頻値なし」とすることが多くあります。目立って多い値がなく、代表として選ぶ根拠がないためです。ただし、最大の度数を持つ値をすべて最頻値とする定義では、全値が該当します。教材やソフトによって扱いが異なり得るので、集計結果には「全値が1回ずつ出現したため、ここでは最頻値なしとする」など、採用した扱いを明記すると確実です。

データの例 最頻値の扱い 読み取る際の注意
1、1、2、2、3 1と2 最大の度数2回で並ぶ両方を挙げる
1、2、3、4、5 ここでは「なし」 全値同頻度。定義によっては全値を最頻値とする
Aが4件、Bが3件、Cが3件 A 最多でも全10件の4割で、過半数ではない

同率最多、すべて同じ頻度、最多が4割の三つの分布で最頻値の扱いと限界を比較

ここでは、観測した回数と理論上の確率も区別しましょう。1から5のカードを公平に1枚引いて戻す試行を繰り返す場合、各数字が出る確率は同じです。しかし、実際に少ない回数だけ引けば、偶然によって出現回数に差がつくことがあります。「出る確率が等しい」ことから「観測データの度数も必ず等しい」とは言えません。

データ数が少ない場合や1位と2位が僅差の場合も、最頻値は安定しません。Aが4件、Bが3件、Cが3件という集計にBが2件追加されれば、最頻値はBへ変わります。結果を示すときは「最頻値はA」だけでなく、「全10件中4件、40%」のように全体の件数と割合を添え、次に多い値との差も確認すると判断しやすくなります。

また、正規分布でないからといって、最頻値が一律に不適切になるわけではありません。最多の種類を知りたいなら有効ですし、二つの値に集中するデータでは、その両方を伝えることに意味があります。反対に、金額全体の規模を知りたいなら平均値、順位の中央を知りたいなら中央値の方が目的に合います。

モード値を使う際は、まず値別の度数を確認し、最大の度数に対応する値を選びます。そのうえで、同率がないか、区間にまとめた近似ではないか、最多の値が全体のどの程度を占めるかを確かめましょう。数値データでは平均値・中央値や分布の図も併用すると、一つの代表値だけでは見えない特徴を捉えられます。

更新履歴

日付 内容
2025年2月1日 初回公開
2026年10月5日 度数表による求め方を補い、同率最多・階級値の扱いと機械学習での用途を追記