アルゴリズム 未来予測のカギ、マルコフ性とは?
物事の移り変わりを確率で考える学問、確率論において「マルコフ性」は大切な性質の一つです。マルコフ性とは、未来を予想する時に、今現在の状態だけが関係していて、過去の状態は気にしなくても良いという性質のことです。
たとえば、明日の天気を考える時、マルコフ性を持つとすれば、今日の天気だけを考えれば十分で、昨日や一昨日の天気は関係ありません。普通は、何日も雨が続けば明日も雨になりやすいと考えがちですが、マルコフ性を持つ天気予報では、今日の天気が晴れなら、過去の天気に関わらず、明日の天気は晴れと予想するかもしれません。
これは、過去のすべての出来事が未来に影響するという一般的な考え方とは違います。通常、未来を予測するには、過去の出来事を詳しく調べ、その積み重ねから未来を推測します。しかし、マルコフ性を持つシステムでは、現在の状態こそが未来を決める大切な手がかりとなります。過去の情報は未来を予想するには不要で、現在の状態だけが未来への道しるべとなるのです。
少し難しい言い方をすれば、未来の確率は、現在の状態によってのみ決まり、過去の状態には左右されません。過去の状態がどんなものであっても、現在の状態さえ同じであれば、未来の起こる確率は同じになるのです。
このマルコフ性は、複雑な現象を理解しやすくする強力な道具です。たとえば、天気予報だけでなく、株価の変動や人口の推移など、様々な予測に役立ちます。複雑なシステムを扱う時に、過去のすべての情報を考慮する必要がなく、現在の状態だけに着目すれば良いので、計算を簡単にすることができます。
