その他 安全を守る仕組み:インタロック
機械や装置を安全に使うために、なくてはならない仕組み、それがインタロックです。インタロックは、あらかじめ決められた安全条件が満たされるまで、装置の動作を止める安全装置です。危険な動作が始まる前に、安全確認を行うことで、事故を防ぎます。
例えば、工場にある大きなプレス機を考えてみましょう。プレス機は大きな力を加えて金属を加工しますが、作業中に手を入れてしまうと大変危険です。そこで、インタロックが活躍します。安全扉が完全に閉まっていないと、プレス機は絶対に動きません。扉が開いている間は、電気の流れを遮断するなどして、機械の動作を物理的に不可能にします。作業者が安全扉を開けて作業エリアに入ると、機械は自動的に停止し、作業者の安全を確保します。
インタロックは工場だけでなく、私たちの日常生活でも見られます。電子レンジを想像してみてください。扉が開いている状態で動作すると、マイクロ波が外に漏れ出て危険です。これを防ぐため、電子レンジにはインタロックが組み込まれており、扉が開いている間はマイクロ波の発生を抑えます。また、洗濯機も蓋が開いていると脱水が始まりません。これもインタロックによるものです。高速回転する脱水槽に誤って触れてしまう事故を防ぎます。
このように、インタロックは様々な場面で私たちの安全を守っています。エレベーターの扉が閉まらないと動かないのも、電車のドアが完全に閉まるまで発車しないのも、インタロックのおかげです。一見、単純な仕組みですが、安全性を最優先に考えた設計思想に基づいて作られており、私たちの生活に欠かせない重要な技術と言えるでしょう。
