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セキュリティ

サイバーキルチェーン:攻撃を理解する

情報通信技術の進歩に伴い、巧妙かつ複雑な電脳空間での攻撃が増加しています。これらの攻撃から大切な情報を守り、組織の活動を維持するためには、攻撃者の行動を深く理解し、適切な対策を講じることが重要です。攻撃の全体像を把握する上で有効な手法の一つが「電脳攻撃連鎖」です。これは、標的に行われる一連の攻撃を七つの段階に分割した模型であり、それぞれの段階での攻撃者の狙いと行動を分析することで、より効果的な防御戦略を構築することができます。 まず最初の段階は「偵察」です。攻撃者は標的となる組織やシステムの情報収集を行います。公開されている情報や、時には不正な手段を用いて、システムの脆弱性や組織の構成員に関する情報を探ります。次の段階は「武器化」です。ここで攻撃者は、収集した情報に基づいて攻撃に用いる道具を準備します。特定の脆弱性を狙った悪意のあるプログラムを作成するなど、攻撃を仕掛けるための具体的な準備を行います。三番目の段階は「送り込み」です。作成した攻撃用の道具を標的のシステムに送り込みます。電子郵便の添付ファイルや不正なウェブサイトへの誘導など、様々な方法が用いられます。四番目の段階は「攻略」です。送り込まれた道具によって、標的システムのセキュリティの隙間を突破しようと試みます。五番目の段階は「設置」です。攻撃に成功すると、システムへの継続的な侵入を可能にするための仕掛けを構築します。六番目の段階は「指揮統制」です。攻撃者は、侵攻したシステムを遠隔から操作するための通信経路を確立します。最後の段階は「行動」です。攻撃の最終目的を達成するための行動に移ります。情報の窃取やシステムの破壊など、攻撃の目的は様々です。 このように電脳攻撃連鎖の各段階を理解することで、どの段階でどのような防御策を講じるべきかが明確になります。各段階での攻撃者の行動を予測し、適切な対策を事前に準備することで、被害を最小限に抑えることが可能になります。
セキュリティ

JPCERTコーディネーションセンター:安全なネット社会の守り手

日本の情報通信網の安全を守るため、独立した組織として活動しているのが、情報処理推進機構セキュリティセンター(略称JPCERT/CC)です。この組織は、営利を目的としない団体であり、特定の企業や行政から独立した立場を保っています。そのため、中立的かつ客観的な立場で活動でき、信頼できる情報源として機能しています。 JPCERT/CCの活動の中心は、情報通信網上で見つかる様々な脅威に関する情報の収集と分析です。例えば、人を騙す偽の電子郵便や不正に情報を盗み出す行為、機械を勝手に操るための悪い命令など、様々な問題について情報を集め、詳しく調べます。そして、その結果をもとに、関係する組織や人々に注意を促したり、対策方法を教えたりしています。 JPCERT/CCは国内だけでなく、海外の関連機関とも協力しています。世界中で情報を共有したり、共に問題解決に取り組んだりすることで、より効果的な対策を行うことができます。情報通信網は国境を越えて繋がっているため、国際的な協力は非常に重要です。 近頃、情報通信網を狙った攻撃はますます巧妙化し、高度になっています。個人だけでなく、企業や社会全体の基盤となる仕組みにまで深刻な影響を与える可能性があります。このような状況の中で、JPCERT/CCは最新の脅威情報や対策技術を提供することで、安全な情報通信網環境の実現に貢献しています。 また、JPCERT/CCは一般の人々に向けた情報提供や啓発活動にも力を入れています。難しい専門用語を使わずに分かりやすく説明することで、誰もが安心して情報通信網を利用できる社会を目指しています。設立以来、日本の情報通信網の安全を守る上で重要な役割を果たしてきたJPCERT/CC。今後も変化する脅威に対応し、関係機関との連携を深めながら、日本の情報通信網の安全を守っていくことが期待されています。